PC版のデッドバイデイライトにおいて、視野を拡大する『強い設定』が強すぎると話題になりました。
あまりに強すぎるために「ズルだ」「不正だ」「チートだ」といった批判的な意見も出ています。強いからと安易に『強い設定』を手を出したり、特定のプレイヤーをバッシングしないように、警鐘の意味も込めて、『強い設定』の解説したいと思います。
強い設定とは?
『強い設定』とは、ゲーム画面を通常のワイドサイズ(16×9や16×10)ではなく、スクエアサイズ(1×1、5×4、4×3など)で表示して視野を拡大することです。上の画像のように視野が縦方向に広がります。横方向の視野は減らないため、単純に見える範囲が増えています。
チェイス中の視野は公式フォーラムの動画が分かりやすいでしょう。動画の0:36あたりから、通常のワイド画面では見えない位置にいる、障害物の裏にいるキラーが見えていることが確認できます。キラーがステイン隠しをしてもすべて見えてしまっているため、サバイバーが有利にチェイスできています。
この『強い設定』にするには、主に3つの方法があります。ただし、後述の「強い設定は禁止行為か?」を読むまでは絶対に試さないでください。
- 設定ファイル(iniファイル)を変更する
- グラボやWindowsの設定を変更する
- スクエアサイズのモニタを使う
強い設定の問題点
『強い設定』の問題点は、一般的なモニタ(16×9や16×10)では見えないものが見えてしまうことです。サバイバーならば、障害物の裏にいるキラーが見えますし、キラーなら、板を割っているときにサバイバーが逃げる方向が見えます。
以下の公式フォーラム掲示板でも、「不正だ」と考えるプレイヤーが半数を超えています。不正ではないものの、「ズルだ」「公平でない」と考えるプレイヤーも多く、コミュニティとして好ましくない設定だと考えられると言えるでしょう。
強い設定は禁止行為か?
『強い設定』はコミュニティの意見からも分かる通り、基本的に非推奨の方法だと言えます。では、実際に、禁止行為や不正行為に該当するのでしょうか?3つのパターンごとに解説します。
1:設定ファイル(iniファイル)を変更する
『強い設定』を説明しているサイトの中には、ゲーム内の設定ファイル(iniファイル)を変更する手法を教えているものがあります。
しかし、ゲーム内ファイルを変更することは、禁止行為に該当します。アカウントのバンなどの厳しい処分が科される可能性があるため、絶対にやめましょう。
以下は、(当時)公式モデレーターのDonnaryさんのツイートです。
【#DeadbyDaylight お知らせ】①
— Donnary21st (@don_21st) February 26, 2018
DbDは性質上、ゲームデータの一部をPCにダウンロードしてプレイします。特殊な技術や知識を持つ人であればそれを自分の手で改変することも不可能ではありませんが、それはエンドユーザーライセンス利用規約(EULA)で禁止されている不正行為です。絶対にやめましょう。
2:グラボやWindowsの設定を変更する
グラフィックボードの設定変更は、該当動画の実況者が行っていた方法です。
この方法は、禁止行為ではありません(2020年2月20日時点)。NVIDIA Experienceなどの機能で画面解像度を変更するのは、デッドバイデイライトのゲームデータに影響を与えておらず、モニタの表示サイズを変更しているだけです。
こうした変更は、Windowsの基本的な設定でも同じことができます。もし、これが禁止行為や不正行為になるなら、NVIDIA GeforceやWindowsを使っているユーザー全員がバンされる可能性があり、論理的に無理があります。そのため、今後も規制される可能性は著しく低いと考えられます。
ただし、WindowsやNVIDIAのグラボ以外のソフトウェア(アプリ)で、画面解像度を変更すれば、アンチチートプログラムにより処分を受ける可能性があります。どの機能が安全か判断できない場合は、触らないほうが良いでしょう。基本的には、自己責任です。
現在のところ画面の解像度を変更することで私たちが何らかの処分をくだしていることはありません。画面の解像度は意図的な変更に限らず使用しているディスプレイやPC・プレイ環境の個人差の領域であり、取り締まりを行うことができないというのが理由です。
ただし今後この方針は変更される可能性がありますので、やるのであれば自己責任です。
Donnary21st_BHVR 公式フォーラムより
3:スクエアサイズのモニタを使う
スクエアサイズのモニタの使用は、禁止行為ではありません。
プレイヤーが使うモニタ・キーボード・マウスといった周辺機器は、基本的に禁止行為になることはありません(マクロやチートツールなどが内包されていれば禁止になりうる)。
今では主流ではありませんが、スクエアサイズのモニタも実際に販売されています。昔はスクエアモニタが主流でしたので、古いモニタを使えば、四角い画面で遊ぶことができます(古いモニタの場合、解像度が低いため見づらくなるかもしれません)。
そのため、安全に『強い設定』をするには、スクエアモニタを使うのが確実です。もしくは、画面を回転できるピボットモニタを使えば縦長の画面で遊ぶこともできます。
3つのパターンをまとめます。
方法 | 安全か禁止行為か? |
---|---|
設定ファイルの変更 | × 禁止行為に該当 |
グラボやWindows設定の変更 | △ 通常機能なら問題ない |
スクエアサイズモニタの使用 | 〇 全く問題ない |
強い設定への筆者の考え
多くのオンラインFPSゲームでは、モニタの縦横比が変わっても表示される情報量が大きく変わらないように設計されています。そんな中、デッドバイデイライトはモニタ画面の縦横比によって、表示される情報量に大きな差があることが明らかになりました。
モニタ画面の解像度を変えると有利ならば、そうしたいと思う人がいるのは自然なことです。グラボやWindowsの設定を変更している人をズルいと思うかもしれませんが、バッシングしても状況は変わりません。スクエアモニタを使っている人を責めるのは、お門違いもいいところです。
しかし、こうした設定があることには、ゲームの公平性には疑問符がつきます。本来は、こうしたことが起こらないように、ゲームを作ることが望ましいはず。つまり、デッドバイデイライトの開発会社が、モニタの縦横比で有利不利にならないようなゲーム画面にすることが望まれます。
筆者としては、スクエアモニタの場合、上下に黒帯を表示したり、表示される領域を制限するなど、モニタの縦横比が有利にならない仕様への変更が現実的な対策だと考えます。デッドバイデイライトは、過去にも様々なバグや欠陥がありましたが、多くは乗り越えてきました。今回もアップデートが入ることを期待します。